●渋谷54

上空

 尾が消滅して、球体となって滞空している兄彗星。
 白く光り輝いている。

ハチ公前広場

 大勢の観衆が、異国人たちの楽しそうなフォークダンスを眺めている。

 敵国同士、にこやかに手を取り合い、交差点内を、円陣を組んでフォークダンスを踊っている異国人たち。

 道代とインド人Aが、一緒に踊っている。

派出所内

 博恵は、ドア越しに立って、異国人たちのフォークダンスを眺めている。

自分も踊りたくて、ウズウズしている。まだ、インドの民俗衣装を着ている。

 イスに腰掛けて、携帯電話で文字を打っている宏。左目に青いアザが残っている。組長に殴られた痕だ。

博恵「宏―。何でみんな、交差点に入ると踊り狂っちゃうの?」

宏「数時間前に、この交差点に彗星が落下してさ…」

 博恵は、分けの分からない宏の言葉に絶句する。

宏「その彗星によって、交差点内に異常な電磁波が飛び交って、脳細胞や運動神経に影響を与えているみたい。

電話も全然、つながらないんだから」

 そう言いながら、宏は携帯電話で文字を打っている。打つことは、可能なようだ。

いや、宏だけは特別に送受信できるのだ。

博恵「何、バカなことを言っているのよー」

宏「ウソは言ってない。信じてくれよー」
 宏はおもわず、小声でそうぼやいた。

博恵「警察は何をしているの? 交差点を占領されて、黙って見ているつもり?」

宏「電磁波の根っ子が、警視庁や都庁や国会にまで伸びて、官僚や政治家たちの頭脳を支配しているから、無理なんだよ」

 宏から発する言葉を、素直に信じられず、あきれ返る博恵。

 携帯電話に、文字を打って遊んでいる、宏。

 窓から、フォークダンスを踊っている異国人たちを見ている博恵。

 博恵の身体が、自然と軽くリズムを取っている。











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