戦えよウルトラ・マンタロウ1

●怪獣カイソク(遅いぞマンタロウ編)。千葉市。

巨大怪獣カイソクが、中央快速線、千葉駅前に現れた。普通列車の1車両に、4本の手足を付け足したような姿の怪獣だ。リストラされた、車両の怨念がこもっていた。

千葉市を初めに、政令指定都市を次から次へと破壊している。その早さは、尋常ではない。早い。まるで、快速のようだ。自衛隊でも、歯が立たない。

このままだと、1カ月で、日本の政令指定都市が破壊されてしまう。総理大臣が、SM69星雲に連絡を取った。地球安保条約にもとづき、支援の要請だ。

SM69星雲。連邦政府の「ウルトラン・ハウス」に連絡が入った。誰を向かわせるのか。防衛省で、戦士の選出会議が始まった。

虎ノ門市にある「地球支援天下り法人」、「丸投げ社団法人」、「孫請け会社」の「ヒ孫請けの派遣会社」で働く「大学生アルバイト」の遠い知人から、ニートの「ウルトラ・マンタロウ」が選ばれた。

 マンタロウは、自宅でテレビ番組やDVDを視たり、ネットで遊んでいたり、ゲーム機などで1日中家の中に閉じこもっていた。仕事が嫌いなのだ。

両親が、将来を案じて、勝手に派遣会社に登録をした。まだ一度も、仕事をしたことがなかった。戦士として、どこの惑星にも向かったことがない。今回の依頼が、初めてだ。

とうとう、仕事をする日がきた。今回は、依頼を拒否するだけの理由がなくなった。「時給800円」と聞いて、大変な関心をひいたようだ。高額だ。

嫌々ながらも、マンタロウはその時給の魅力に引かれ決断をした。地球に行って、悪質な怪獣たちをやっつけて、人類を救おう。

マンタロウが、地球・日本にやってくる。怪獣や宇宙人たちの侵略から、地球の平和を守るためだ。急いで荷物をまとめて、駅に向かった。

 駅のホームには、「普通降格列車メイオウセイ」がある。これに乗車すると、日本には1カ月はかかる。1万円で、行くことができる。

「超光速寝台特急シリウス」に乗れば、1日で地球・日本・東京駅に到着する。料金は、10万円だ。そして、マンタロウは乗った。
しかし、1カ月経っても、マンタロウはやって来ない。総理大臣は、イライラしている。どうした? シリウスは、途中で事故でも起きたのか。そんな報告は、聞いていない。

結果、怪獣カイソクによって、日本の政令指定都市は破壊尽くされてしまった。おいおい。どうするんだよ。

怪獣カイソクは、次にそれ以下の市町村を標的にした。やりたい放題、街を破壊した。自衛隊も、手に負えない。勝てなかった。

長野県松本市、松本駅が狙われた。怪獣カイソクもいい加減疲れてきた。この駅を最後にして、故郷の惑星「プラットホーム」に帰ろう。これで家族に会える。長い出張だったなー。賞与は、もらえるだろうか。期待しよう。

松本駅で、怪獣カイソクが暴れている。そこへ、宇宙からマンタロウが乗る列車がやってきた。10両編成。マンタロウはシリウスではなく、「普通降格列車メイオウセイ」に乗ってやってきたようだ。寝台ではないから、腰・肩・首がイテーよー。

この普通列車だと、到着するのに1カ月以上もかかる。オソっ。実は、駅で「超特急料金」を購入せず、「普通列車料金」を購入したみたいだ。差額9万円を手に入れるためだ。セコっ。でも、ニートにとっては大金だ。

しかし、1カ月間も列車に乗車しているため、食費代で9万円も使ってしまった。バカ。

そして普通列車は、松本駅のホームで、オーバーランを起こしてしまった。運転手の疲労が原因だ。そのまま、松本駅を通り過ぎてしまった。

その前方には、怪獣カイソクが立ちふさがっていた。右足が、線路上に乗ってある。普通列車が、右足にぶつかる。運転手はブレーキを踏むことなく、怪獣カイソクの右足に衝突してしまった。ドッカーン。

怪獣カイソクは、前に倒れてしまった。ドテっ。頭を打って、そのまま気絶してしまうのであった。やられたー。

普通列車は、頑丈だ。宇宙空間を走行する列車だ。簡単に、壊れるような作りではない。それは、線路上で停車した。

プカプカとタバコを吸いながら、マンタロウが下車した。いかにも、自分が倒したかのような顔つきで、堂々と降りてきた。態度でかっ。
マンタロウ「時給800円かよーっ! これで、6カ月間生活できるぞー。やったね」

ニートだったマンタロウは、時給800円で喜んでいる。SM69星雲の生活水準は、相当低いようだ。時給800円で、喜ぶな。

運転手「怪獣カイソクを倒したのは、俺だぞ。時給800円、よこせーっ」

 果たしてマンタロウは、日本で活躍できるのであろうか。まじめに、仕事をこなせよ。









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