デス・ストーリーは突然に…7

●出棺も終わったその翌日、兄貴と2人で大掃除が始まった。実母は、趣味が多いから大変だ。この町でのゴミ袋(大)は、10枚で1000円だ。

高すぎるぞと。とりあえず、実母の衣類を捨てよう。燃えるゴミだ。100枚以上、袋が必要だな。香典代から、ゴミ袋代を捻出してやる。

午後、実母の親友がやってきた。自分が、生まれる前からの友人だ。死亡2日前に、出会っていたという。突然の訃報に、ショックを受けている。

事前の電話口では、「体調が悪いので、通夜には出席できない」と言っていた。今日この日、「通夜に出席しなくて、よかった」と公言した。

相当、気分が悪いようだ。ムカついている。実母を憎んでいる。死を、受け入れられないらしい。

2日前に出会ったのが、最後だ。もう、会うことはできない。この遺影に向かって、文句を言うしかない。死人に、怒りをぶつけることができない。

人の命って、はかないなー。命を失うことって、こんなに簡単なものか。何だか、生きていることがバカみたいに思えてくる。

自分も、実母を憎んでいる。こんなに、ゴミがあるなんて、思ってもみなかった。実母は、死期が近いことを悟っていたようだ。

昨年の12月頃から、美容室の知人に漏らしていた。この親友にも、漏らしていた。祖母の影響だろうか、実母は霊感が強かった。

ロウソクを作っていたようだ。死んだら、玄関にあるロウソクの火を灯してほしいと言い残していた。親友は、その遺言を実行した。こんなに早く灯すとは、空しい遺言だなー。

死期が近いことを悟っていたら、もっとゴミを減らしてから死ね。預貯金や年金・生命保険、印鑑、パスワードを分かりやすい場所に置いておけ。

残された遺族は、いい迷惑だ。このゴミ屋敷から証書類を探すのは、至難の業だ。ゴミを処分するのが、大変だ。

死にたい人は、身辺を整理整頓してから死のう。





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