●小説渋谷17

交差点

左腕を大きく振って、全員が踊っている。
警棒を回して踊る、宏。

両足を左右に上げて一斉に飛び上がる、渋谷駅の10人。
横に3回、回って踊る、大江戸百貨店店員。

ステップを踏んで踊る、渋谷百貨店店員。
腰を左右に動かして、全員が踊っている。

左右の掌(てのひら)を回して踊る、スーパー渋谷の店員。
両手を広げて踊る、ハンバーガー店店員。

左右の肩を回して踊る、区役所職員。
多少疲労気味の宏が、踊っている。汗をかいている。

両手を振って、全員が踊っている。
お互いに腰をぶつけ合って踊る、銀行員。

背中をのけ反らせる、大江戸百貨店店員。
両腕を上下に揺らす、ドラッグストアの店員。

右足を前に高く上げる、バス会社の社員。
101人全員が、踊っている。

飛び上がって回る、牛丼屋の店員。
マイクを持って踊る、渋谷駅の職員。

隣の人と拳(こぶし)をぶつけて踊る、スーパー渋谷の店員。

笑顔を失い、疲れた宏が踊っている。
笑顔でハツラツと、全員が踊っている。

人型の信号機

青が踊っている。点滅を始め出した。赤に、変わろうとしている。

交差点

宏、踊りながら派出所へと向かう。

踊りながらハチ公前広場、各通りの歩道上へと彼らは走り去って行った。
交差点に、人がいなくなった。









"●小説渋谷17" へのコメントを書く

お名前
メールアドレス
ホームページアドレス
コメント